○はじめに
この文章をお読みになっている皆さんは、当然ながら何らかの形でコンピュータ、或いはそれに類する端末をコントロール出来る力を持っているものと思われます。その中で、特に『パソコン』を操作してこの文章にたどり着いた方を対象として、お話を進めさせて頂く事に致します。
何故なら、このお話が『コンピュータ本体と周辺機材の繋がり』について焦点を当てたものだからです。
さて、パソコン……『パーソナル・コンピュータ』の略語ですが、これを操作している皆さん。あなた方は、パソコンを単体で利用しているでしょうか?
ノート型のものであれば、或いは『何も繋がっていない』ように見えるかも知れません。しかし、実はキーボードやモニター、ディスク類に至るまで、全ての装置は独立した機械なのです。それをオペレーティングシステムが統括して、あたかも単体であるかのように見せているのです。
デスクトップ型のコンピュータを扱っている方なら、より分かり易いと思います。何しろ、モニターにキーボード、マウス等、操作に必要な装置は全て本体のコネクターに挿して動作させている訳ですからね。
さて、ここで!
コネクターに繋いだマウスやモニターが、何もせずにそのままコンピュータの一部として利用できるでしょうか?
答えは『否』です。
コンピュータ本体は飽くまで、演算装置と記憶装置を備えた只の箱。そのままでは何の役にも立たないのです。だから入力に必要なキーボードやマウス、情報を目で確認する為のモニターが必要になる訳です。
これを、あなた自身の体に置き換えて考えてみましょう。
食事をする時、手に直接ご飯や汁を持って食べる人は……まぁ、あまり居ないでしょう。普通は、器に盛りつけたものを、箸やスプーンを使って食べますよね。
では、あなたはそれらが最初から『食事をするための道具だ』と知っていたでしょうか?
これもまた、『否』である筈です。誰かに教えられて、初めて『食器』という道具である事を理解したのではないでしょうか。
コンピュータにとってのマウスやモニターも、これと同じなんです。
人間の側が、『これはどういう役割をするものなんだよ』と指示してやらなければ、コンピュータは何を繋がれたのかも分からないまま、何の反応も返さないでしょう。
(注:現在のコンピュータは殆どが『ホットプラグイン』と云う機能を実装しており、簡単な装置であれば接続するだけで自動認識する事が可能です。が、飽くまで手動処理すべき事をコンピュータが代行しているに過ぎません)
この、コンピュータと『周辺機器』とを結びつけ、道具として活かす為に用いられるのが、『デバイスドライバ』と呼ばれるソフトウェアなのです。恐らく、何のためにインストール(※)するのかは分からなくとも、名前ぐらいは聞いた事があるのではないでしょうか。
(※インストール:コンピュータにプログラムを入力して、動作可能な状態にする事)
本コラムでは、この『オペレーティングシステム』及び『デバイスドライバ』について、その役割を探求していこうと云う趣旨になっております。
途中、小難しい用語が出てくる箇所があると思いますが、その都度解説致しますのでそこはご安心を。
……っと、その前に。
先ずは『コンピュータ』と『オペレーティングシステム』の関連性について、簡単に解説してから本題に入らなくてはなりませんね。
此処までを理解できたなら、ページを捲って先に進んでください。
焦らず、ゆっくりで結構です。確実に理解していきましょう。