○背景を描いてみよう! |
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人物の絵は描けるんだけど、背景が苦手なんだよねー……っていう人、結構いらっしゃるんではないかと思います。 |
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私もそうでした、描き始めの頃はキャラに何かを持たせるだけで汗ダラダラでしたからねー。 |
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……いや、それじゃあ今はスラスラ描けるのか? と問われれば答えに困るんですけど(汗) |
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一応、パッと見て違和感の無いレベルの背景は描けるようになりました。 |
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で、背景に限らず人物を単独で描く場合にも同じ事が言えるんですが、平面でない物体を見た時に必ず出て来る言葉があります。 |
それは『遠近感』という奴で、これを真っ平らな画面に描く場合に『パース』という言葉を使います。 |
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そもそもパースとは『遠近法』の英訳である『Perspective(パースペクティヴ)』の略語で、要するに遠近感のある作画を目指すなら |
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必ずマスターしなくてはならない過程の一つです。 |
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遠近感・立体感の無い絵には説得力がありません。 |
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ごく稀に、綺麗な描線と絵柄に騙されて『上手い!』と思ってしまう絵もありますが、良く見たらあり得ない角度で腕が曲がっていたり、 |
見える筈の無い部分が見えていたり、あるいはその逆だったり……という事があります。 |
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そういったミスを防ぐ為にはどうすれば良いのか? |
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答えを先に言ってしまうと、『透視法』という技法を使う事で解決します。 |
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何だか難しそうな言葉が出て来たぞ? と身構えないで下さい。サクッとマスターできるレベルの物ではありませんが、 |
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慣れてしまえばそれが当たり前になり、遂には『それが無いと落ち着かない!』という感じにまでなります。 |
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っと、前置きが長くなりましたが。では、図説を交えながらその方法を解説していきましょう。 |
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・消失点とは何ぞや? |
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平らな紙に奥行きのある絵を描くには、その絵が何処に向かって見た構図なのか、それを決めてやる必要があります。 |
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『何処を見る』のかを示す位置は、最終的にある一点に集約されます(より高度になると、この点が複数出現するのですが)。 |
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その点を『消失点』と呼ぶのです。 |
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では、実際に見てみましょう。 |
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まず、屋外背景は対象物が多く難度が高いので、消失点を特定しやすい屋内背景で解説してみます。 |
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そうですね……学校の廊下を描いてみましょうか。 |
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最初に、紙のどの位置が視線の集中する位置なのか、それを決めてやります。それが消失点になります。 |
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消失点が決まったら、廊下の幅や天井の高さなどを大まかに決めて、消失点に向かって補助線を引きます。 |
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このレクチャーではデジタル環境をベースにしているので、補助線もレイヤー操作で消すのが前提となっています。 |
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アナログの方はトレス台を使ったり、消しやすいよう薄めの芯で描いたりするなどの工夫をして下さい。 |
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さて、上の図が基本となるラインとなります。線が一つの点に向かって集約していますね? これが消失点です。 |
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では、この補助線をベースにして、色々と描き込んでみましょう。 |
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全ての物体は消失点に向かっている事を忘れないで下さいね。 |
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分かりやすいように色分けしながら描いてみました。が、描かれている物(柱や窓)が全て消失点に向かって |
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だんだん小さくなっているのが分かりますね? この段階で、遠近感が演出されているのが分かる筈です。 |
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補助線を残したまま、細かく線を入れてみました。 |
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ここまで来ると、かなり『絵』として分かりやすくなって来ますね。 |
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では、補助線を消してみましょう。 |
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決して上手い絵ではないですが、違和感は無い筈です。 |
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くどいようですが、これは全て消失点が定まっている為に可能となる事なのです。 |
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これで一応、背景の完成です。 |
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……色は? とか言わないで下さいね。まだ続きがあるんですから。 |
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なお、この図法は消失点が一つなので、『一点透視法』と呼ばれます。 |
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では次に、この背景にキャラクターを乗せてみましょう。 |
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っと、その前にちょっと休憩。 一息入れましょうね。 |
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