○背景にキャラを乗せてみよう
さて、背景は描けましたが、写生じゃあるまいしこれで完成じゃないよね? という声が聞こえて来そうですね。
はいはい、分かっておりまする。ここから先が本レクチャーのミソですからね。
では、先程描いた背景に、キャラを立たせてみましょう。
とは言っても、キャラの配置も背景と同じパースでなくては意味がありません。
なので、もう一度補助線を出してみましょう。
えーと、消失点と交わるように、緑色の太線が追加されているのが分かるでしょうか?
この線、伊達に引いた訳ではないんです。
これは『アイレベル』と言って、目線の高さが何処に合っているのかを示す大事なガイドラインなのです。
なお、アングルによってアイレベルは変化しますが、『アイレベル=消失点の高さ』という法則は不変なので、覚えておいてくださいね。
では次に、キャラの立ち位置を決めましょう。
消失点から紫色の線が引かれ、それと交差する位置に垂直な薄緑色の線が引かれていますね。
これがキャラの立ち位置の中心線になります。
さて、先程の補助線に、今度は赤い二本の平行線が追加されました。
下がキャラの足の高さ、上がキャラの頭の高さです。
そのラインに合せて、立った姿勢のキャラを描き込んでみました。
……え? どこかで見た事があるぞって?
固い事言わんで下さい、時間の都合というモノがあるんです。決して手抜きじゃないです、処理速度の短縮です(汗)
これで完成にしても良いんですが、欲張ってもう少し応用を効かせてみましょう。
同じ身長のキャラを、違う位置に立たせるという技法です。
キャラの身長に合わせた平行線に合わせて、消失点から青いラインを引きました。
そして、そのラインと平行線を結ぶように垂直な線を引きました。
このラインが、このキャラがその位置まで平行移動した事を示す位置です。
青いラインの上に、また赤い平行線を引きました。
もうお分かりですね? これが『平行移動したキャラが、そこまで後退した』事を示す位置です。
その位置に、キャラを描き込んでみました。
便宜上同じキャラを使いましたが、手抜きだ! とか言わないで下さいね。
分かりやすいように同じキャラを並べたんですから(汗)
補助線を消して、完成です。
如何です? 同じキャラが二人いると云う点を除けば、全く違和感が無いでしょう?
このように、消失点を意識した描画をする事で、奥行きのある表現が可能になるのです。
なお、身長の異なるキャラを配置する場合は、足の高さはそのままにして頭頂部のラインを調整してから
消失点までのラインを引き直し、同様に任意の場所に移動すれば良いのです。ちょっとした応用ですね。
では、今回はここまで。
次は、もうチョイ高度な描画にチャレンジして頂きます。
が、この描き方が最もベーシックな手法になりますので、しっかりとマスターして下さいね。
ではでは、次回をお楽しみに!