○キャラを乗り物に乗せてみよう
第4回目で終わりにする予定だったんですけど、もうちょっと言いたい事があったんで。ま、特別編って事で。
・キャラとアイテムの位置関係
キャラにアイテムを持たせる、乗り物に乗せる等、作画を続けていれば当たり前のようにのしかかってくる課題ですね。
でも実は、これが意外と難関だったりするんです。
例えばキャラが鉛筆を持っていたりする場合、これはアイテムが小さいので比較的楽チンですが、これがもっと大きな
ホウキやなんかだったらどうなるでしょう?
よほど気を付けて描かないと、大きさがメチャクチャになったりして見るに堪えない作画になってしまいます。
そうならない為に、今回はその描き方のコツをお教えしましょう。
・アイテムから先に描く
キャラ画の場合、キャラの立ち位置なんかの都合でキャラから描きたくなるのが普通です。
でも! 大型のアイテムを一緒に描く場合などは、キャラの位置を大まかに割り出して目印を付けた後、アイテムから
先に描くのがコツなんです。
何故? と問われれば、答えは簡単。
キャラは自由に動くけど、アイテムはその形を変える事がありません。なので、キャラから描くとアイテムがひん曲がったり
位置関係がおかしくなったりするのです。
そこで今回は、キャラが自転車に乗っている構図を描いてみようと思います。
なお今回は背景は度外視、キャラとアイテムだけにスポットを当ててお話を進めます。
まず最初に、自転車のアウトラインから先に描きます。
この時、写真や漫画などから模写するのは構わないですが、ファンアートや個人閲覧以外の用途にモデルを使用する場合、
必ず版権者に許可を頂いてから描くようにしてくださいね。
続いて、自転車のアウトラインに合わせてキャラの身体を描いてやります。
どうです? 先にアイテムを描いておく事の意味が、此処で良く分かるでしょ?
もし仮に、先にキャラを描いていたら、自転車は在り得ない形にひん曲がってしまいます。
続いて、キャラの細部の下書きを行います。
ま、自転車の細部を書き込むのが先でも良いんですが、此処は好みの問題で順番を前後させても構わないと思います。
で、キャラがある程度安定して一安心したら、次に自転車の細部を描き込んでやります。
今回はサーバー容量の都合で割愛してますが、本当は細部を描き込む際のラフも存在したんです。
描けるならいきなりペン入れでも構わないのですが、まぁ無理だと思うのでまずはラフから描きましょう。
この図解は特例と思って下さい。
続いて、キャラの描線にペンを入れます。
……え? 何で裸なのかって? そりゃー絵を描いてれば分かる理屈ですよ。
デジタルで描く場合なら尚更なんですが、ヌードラインを残しておくと、服を替えたりして差分を作る時に凄く楽チンなんです。
それに、いきなり服から描く事は……私ならおっかなくて出来ないですね。
何故かって? 分からないなら、もう一度この単元を最初から読み直して下さい。
さて、キャラのラインが定まったら、此処で初めて服を着せてやります。
ここでの細かい説明は不要でしょう。好みの服を着せてやってください。
ただ、自転車に乗りながらフリフリのゴスロリや和服は着ないと思うので、その辺は良く考えてコーディネートしましょう。
一気に飛ばしましたが、全体にペンが入ったら、体や服に隠れて見えなくなるラインを消してやって、線画の完成です。
あまり上手とは言えない絵ですけど、少なくとも違和感は無いでしょう?
自転車に乗ってる図って、描いてみれば分かりますが実はすごく難しいんですよ(笑)
さあ、後は色を塗ってやれば完成です。
陰影のつけ方や塗りの細かい技法なんかは、各々で模索して下さいね。
私だって色々と勉強したんですからw
では、これでホントにこの講座は終わりになります。
この講座では大は小を兼ねるという感じで乗り物に乗る構図を選びましたが、これが手持ちアイテムでも要領は一緒です。
必ず、形の定まったアイテムから先に描画して下さい。それがコツです。
それでは皆さん、これを叩き台にして一層精進して下さいね!^^